5-3. 任意波形を作成する

今までは、DSPボードに外部から入力した信号に対して様々な処理を 行っていましたが、DSP自体で様々な波形を直接作成して、出力することも できます。


【実習 5-3-1】

  1. まず、のこぎり波を出力するDSPプログラムを作成してみましょう。 のこぎり波は、図のように直線的に出力電圧が大きくなっていき、一定時間(T)が 経つとまた最初からそれを繰り返すような波形です。

    このようなのこぎり波発生のサンプルプログラムが[saw] にあります。

    ここでは、サンプリング周波数が48 kHzとなっていますので、サンプリング周期は 1/48000 = 約20.8[μ秒]となります。-0.5[V]から出発して1サンプリング周期 毎に0.001[V]ずつ増えていきますから、1000回ループが回ると+0.5[V]になります。 したがって、のこぎり波の1周期(T)は20.8[μ秒]×1000 = 20.8[m秒]となり、 周波数に直すと1/20.8[m秒] = 48 Hzとなります。
  2. DSPボードからの出力電圧をオシロスコープで測定し、出力波形を確認して みてください。


【実習 5-3-2】

  1. 上のプログラムを元にして、方形波を出力するDSPプログラムを作成 してみましょう。

    方形波は一定時間間隔で「+V0」と「-V0」を繰り返す波形です。 まず波形の繰り返し周期を決めます。その周期の半分だけ「+V0」を出力し、 残りの半分に「-V0」を出力することで、簡単に作成することができます。
  2. DSPボードからの出力電圧をオシロスコープで測定し、出力波形を確認して みてください。
  3. 方形波のデューティー比(「+V0」を出力する時間と「-V0」を出力する時間の 比率)を変化させてみましょう。


【実習 5-3-3】

  1. 図のような三角波を作成してみましょう。


【実習 5-3-4】

  1. 図のような正弦波を作成してみましょう。

    最も簡単には、DSP用数学ライブラリに用意されている、三角関数(sinまたは cos)を利用することができます。